スモーキーなフレーバーのモルトウィスキーができるのはなぜなのか?

「癖のある」、「個性が強い」、「パンチの効いた」ウィスキーといえば

スモーキーなフレーバーを持つウィスキーを思い浮かべると思いますが、

あの独特なフレーバーの素はどんな時にどのように

付加されているのでしょうか。

スモーキーなフレーバーを持つモルトウィスキーのおすすめ銘柄

あまりこのようなウィスキーに慣れていない、

また飲んだことが無い皆様へ、

まずはおすすめの銘柄を2つ紹介します。

バーにお越しになった時は一度お試しください。

BENROMACH 10Y(ベンロマック)

スコットランド、スペイサイドと言われる地域で造られているウィスキー。

香ばしくスモーキーな中にもどこか甘くフルーティー、

個人的にはスモーキーなモルトウィスキーの

入口にして欲しい一本。

ARdbEG TEN (アードベッグ)

スコットランド、アイラ島という島で造られているウィスキー。

スモーキーな刺激はタバコの煙にも例えられるような

強烈な個性を持っていますが、

後味がカラッとしているのでおすすめです。

フレーバーの素になっている材料と工程

本題に入っていきます。

主にこのフレーバーを付加させる要因となっているのは、

ピートと呼ばれる燃料と、製麦と呼ばれる工程です。

ピートとは?

ピートとは植物などが堆積(たいせき)してできた泥炭(でいたん)のことで

炭という文字から想像がつきますが、燃料です。

このピートをウィスキー製造の工程で使うことで

スモーキーなウィスキーの土台をつくります。

モルトウィスキーの製造工程

具体的にピートを用いる工程がどこなのか?の前に

簡単にモルトウィスキーの製造工程を見てもらいます。

製麦(せいばく)モルティング

原料になる大麦を水分を含ませ発芽させて、

大麦の粒中に十分な酵素を生成させる

そのまま発芽が続くとアルコールになる糖分が減るので

ちょうど良い発芽状態で乾燥させ生育を止める。

糖化(とうか)マッシング

製麦した大麦を粉砕して

温水に混ぜて糖質を含んだ麦汁と呼ぶ糖液を造る工程

発酵(はっこう)ファーメンテーション

できあがった麦汁に酵母を入れて、アルコールを含んだ発酵液を造る工程

蒸留(じょうりゅう)ディスティレーション

発酵液を加熱して、水とアルコールに分離し、アルコールを抽出する作業

これを2度繰り返してアルコールやその他の成分を抽出する。

熟成(じゅくせい)マチュレーション

木製の樽で蒸留したウィスキーを長期間貯蔵して

ウィスキーにとって欠点となる香りや成分を取り除き、

樽由来のフレーバーを付加して

まろやかさと円熟味を増加させる。

瓶詰め(びんづめ)ボトリング

熟成を完了したウィスキーを複数調合してそのブランドの

あるべきテイストになっていきます。

さらに下垂して40度程度に調整して瓶詰めする。

スモーキーばフレーバーが付加される工程

この長い工程の中でスモーキーフレーバーを付加させる

工程は初期段階の製麦にあります。

製麦で主なスモーキーフレーバーの付加が行われる

発芽させた大麦の生育が進みきらないために

乾燥させて生育を止める作業があります。

その時使用するのがピートという燃料です。

このピートを燃やした燻煙がウィスキーに独特な

スモーキーフレーバーをもたらせます。

まとめ

その他の要因も少なからずありますが、

モルトウィスキーのスモーキーなフレーバーは、

製造工程の初期段階である製麦の時点で

ピートを使って大麦麦芽を

乾燥させる事によって付加されています。

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